無痛分娩を希望しても、病院によって対応方法や体制には大きな違いがあります。本記事では、無痛分娩の実施体制や費用、麻酔の方法など、病院ごとの違いを解説します。
無痛分娩と一口に言っても、病院ごとに対応や進め方はさまざまです。ここでは「硬膜外麻酔の管理体制」「計画分娩・自然陣痛発来後の対応」「無痛分娩の麻酔濃度」の観点からその違いをご紹介します。
無痛分娩の主な手法として、硬膜外麻酔が用いられています。病院によって麻酔科医や産科医の体制が異なるため、対応できる時間帯も大きく変わります。ただし、必ずしも麻酔科医がいることが無痛分娩取り扱いの条件になるわけではありません。
京都で無痛分娩ができる病院・クリニックの麻酔科医の在籍状況などを比較している特集ページもありますので、併せてご確認ください。
無痛分娩は、事前に出産日を決めて進める「計画分娩」が一般的ですが、病院によっては自然陣痛が始まった後でも柔軟に対応できるところもあります。
同じ硬膜外麻酔でも、使用する麻酔薬の濃度設定により痛みの感じ方が変わります。軽めに設定する「和痛分娩」と、ほぼ痛みを感じさせない「完全無痛分娩」があります。
無痛分娩において、麻酔科医が常駐しているかどうかは極めて重要です。常時体制が整っていると、緊急時にも迅速に対応でき、安心感が増します。
無痛分娩を受ける際の費用は、通常の分娩費用に追加料金がかかり、病院によって異なります。一般的には15万円~20万円程度が相場※ですが、10万円から30万円程度と施設ごとに差があるようです。
分娩時の環境は出産体験に大きな影響を与えます。移動の有無や、どのような環境でリラックスできるかがポイントとなります。
無痛分娩では、出産時の痛み軽減だけでなく、心理的な安心感も重要です。助産師によるサポートや家族の立ち会いがどの程度可能かも、病院選びの大切なポイントとなります。
無痛分娩を成功させるために、以下のポイントをチェックすることが大切です。
京都の病院・クリニックで無痛分娩に24時間対応できるかなどを調査した特集ページもあります。併せてご確認ください。
A. いいえ、無痛分娩の実施方法や体制は病院ごとに異なります。硬膜外麻酔の管理体制、計画分娩か自然陣痛発来後にも対応しているか、麻酔の濃度設定などは施設によって違いがあるため、事前の確認が重要です。
A. 一般的に、麻酔科医が常駐している24時間体制の病院では、夜間や休日に陣痛が始まった場合でも無痛分娩に対応でき、緊急時の対応力も高いとされています。そのため安心感を重視する方には、常駐体制のある施設が選ばれる傾向があります。
A. 計画無痛分娩は、あらかじめ出産日を決め、陣痛促進剤を使用して分娩を進める方法です。一方、自然陣痛後の無痛分娩は、陣痛が始まってから麻酔を行うため、より自然な流れで出産を迎えられますが、対応できる病院は限られます。
A. はい、麻酔薬の濃度設定は病院ごとに方針が異なります。痛みを和らげつつ感覚を残す「和痛分娩」と、ほぼ痛みを感じさせない「完全無痛分娩」があり、どの程度の鎮痛を目指すかは医療機関や妊婦さんの希望によって調整されます。
A. 無痛分娩は通常の分娩費用に加えて追加料金が必要となり、一般的には15万円〜20万円程度が相場とされています。ただし、病院によっては10万円程度の場合もあれば、30万円前後になるケースもあり、施設ごとの差が大きい点が特徴です。
A. 設備や医療スタッフ体制が充実している大学病院や総合病院では、無痛分娩の費用が比較的高めに設定されていることが多いです。その分、24時間対応や緊急時の体制が整っている点が特徴です。
A. LDR(陣痛・分娩・回復を同じ部屋で行う形式)では、出産時の移動が不要となり、身体的・精神的な負担が軽減されます。リラックスした環境で出産に臨みたい方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
A. 病院選びでは、24時間対応の有無、麻酔科医の体制、計画分娩のみか自然陣痛にも対応しているか、費用、分娩環境(LDRの有無)、産後のサポート体制などを総合的に確認することが重要です。自分の希望やライフスタイルに合った病院を選びましょう。
無痛分娩は、出産時の強い痛みを軽減し、母体の体力温存と心の余裕を生む大きな選択肢ですが、実施方法や医療体制、費用、環境などは病院ごとに大きく異なります。
24時間対応かどうか、麻酔科医が常駐しているか、計画分娩のみなのか自然陣痛にも対応できるか、そしてリラックスできるLDRの有無や、産後のサポート体制など、自分の希望に合う病院を十分に確認することが大切です。
出産は一生に何度もない大切なイベントです。事前にしっかりと情報収集と相談を行い、自分と赤ちゃんにとってピッタリな無痛分娩を実現できるような病院を選びましょう。

山王ウィメンズ&キッズクリニック大森院長。
産婦人科専門医として診察を行うほか、メディア出演やSNS、YouTube(産婦人科YouTuber高橋怜奈)を通して、妊娠やセックス、生理など、体にまつわる幅広い情報を積極的に発信する。元プロボクサーでもある
※学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術、商品等を推奨しているものではございません。
公式サイト、あるいはJALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会)のサイトにて、無痛分娩の年間実績が確認できた、京都市にあるクリニックを選定(2025年4月調査時点)。
分娩可能時間や麻酔科医の在籍数といった医療体制や、NICUの有無、費用も調査しています。
| 無痛分娩の 年間実績 | 麻酔科医の 在籍数(※1) | NICUの 有無(※2) | 無痛分娩 可能時間帯 | 無痛分娩の 費用※税込 | |
|---|---|---|---|---|---|
足立病院 | 546件 (2023年) | 常勤6名 非常勤3名 | 9床 | 24時間 | 550,000円~ 652,000円 |
身原病院 | 415件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 557,000円~ |
中部産婦人科医院 | 347件 (2023年) | 常勤1名 非常勤4名 | 記載なし | 24時間 | 600,000円~ |
醍醐渡辺クリニック | 151件 (2021年) | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 590,000円~ |
島岡医院 | 34件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 記載なし |
京都桂病院 | 16件 (2023年) | 常勤1名 | 記載なし | 原則計画分娩 (平日日中) | 570,000円 前後 |
(※1)出典:無痛分娩関係学会・団体連絡協議(https://www.jalasite.org/hp/10469.html
(※2)出典:産後なび(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/search.html?:embed=yes&:linktarget=_blank&01=26&18=01)
無痛分娩の実績について
足立病院(https://www.adachi-hospital.com/numbers/)
身原病院(https://mihara.com/about/outline/)※2023年分娩実績から、無痛分娩割合(平均)に基づき算出
医療法人社団中部産婦人科医院(https://www.nakabe.or.jp/painless.php)
醍醐渡辺クリニック(PDF)(https://hospital.d-w-c.jp/painless_delivery/img/pdf_mutsubunben.pdf)
島岡医院(https://www.shimaoka-ob-gy.minami.kyoto.jp/data/)
京都桂病院(https://www.katsura.com/sanfujinka/labor_analgesia_info.html)
2025年3月15日調査時点
※金額はあくまで目安です。無痛分娩を行なった場合、掲載している費用よりも高くなる可能性もございます。費用の詳細はクリニックに直接お問い合わせください。
無痛分娩は、一般的に硬膜外麻酔を使用して行われます。この処置は高度な技術と経験が必要で、医師であれば誰でも対応できるわけではありません。
そのため、麻酔科医が在籍しているかどうか、何人いるかは、安全かつ計画通りの無痛分娩が可能かを判断するうえでとても重要です。
また、分娩は自然の流れで起こるため、深夜や休日に急に始まることも少なくありません。複数の麻酔科医が常勤で在籍し、交代でオンコール体制を整えている病院であれば、時間に関わらず無痛分娩の希望が叶いやすくなります。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は、在胎週数や出生体重に関わらず、特別な医療的ケアが必要な新生児を集中的に治療できる医療設備です。
無痛分娩は、母体の心身への負担を軽減する分娩方法として広く利用されています。ただし分娩の種類にかかわらず、新生児には予測が難しい医療的ケアが必要になるケースもあるため、NICUの有無など、施設の対応力を確認しておくことも安心につながります。
NICUのある病院では、生まれてきた赤ちゃんの様子に応じて適切な対応が取れる体制が整っています。