無痛分娩で麻酔科医が常駐している病院を選ぶべき理由

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無痛分娩について調べていると、必ずといっていいほど「麻酔科医 常駐」という言葉を目にします。
「常駐していないと危険なの?」「非常勤の麻酔科医だと技術が低いの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。

大切なのは、「常駐」という言葉の響きだけでなく、その病院の実際の運用体制を正しく理解することです。
本記事では、麻酔科医の体制の違いや、病院選びにおいて本当にチェックすべきポイントについて解説します。

そもそも無痛分娩で「麻酔科医」は何をしている?

まずは、無痛分娩において麻酔科医がどのような役割を果たしているのかを知っておきましょう。

無痛分娩で使われる麻酔(硬膜外麻酔)の特徴

無痛分娩で一般的に行われる「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」は、背骨の中にある硬膜外腔という狭いスペースに細い管を入れ、そこから麻酔薬を注入する医療行為です。
痛みを和らげつつ、お産に必要な感覚や運動機能を残すという繊細なコントロールが必要なため、高度な知識と技術が求められます。また、麻酔による血圧低下や合併症などのリスク管理も非常に重要です。

麻酔科医が関わるタイミング

麻酔科医は、主に以下のタイミングで関わります。

「麻酔科医 常駐」とはどういう状態?

病院の公式サイトなどで見かける「常駐」には、いくつかのパターンがあります。

常駐とは?

一般的に「常駐」とは、麻酔科医が病院内に勤務しており、呼び出しがあればすぐに対応できる状態を指します。
ただし、その範囲は病院によって異なり、「24時間365日いつでも院内にいる」ケースもあれば、「平日の日中は院内にいる」ケースを常駐と呼ぶこともあります。

常駐・オンコール・非常勤の違い

麻酔科医の勤務体制は主に3つに分類されます。

麻酔科医が常駐しているメリット

麻酔科医が院内に常駐していることには、妊婦さんにとって大きなメリットがあります。

① 無痛分娩を始めるタイミングが柔軟

夜中や早朝に急に陣痛が始まっても、麻酔科医がいればすぐに無痛分娩の処置を始められます。痛みに耐える時間を最小限に抑えることができます。

② 麻酔の調整が迅速

「痛みが戻ってきた」「足がしびれて動かしにくい」といった状況の変化に対し、すぐに麻酔薬の追加や調整を行ってもらえます。

③ 緊急時の安心感

万が一、母体の血圧が急低下したり、赤ちゃんの心拍が落ちて緊急帝王切開が必要になったりした場合でも、麻酔科医がいれば即座に手術への移行や全身管理が可能になります。

④ 精神的な安心感

「何かあってもすぐ専門の先生に診てもらえる」という安心感は、リラックスしてお産に臨むために非常に大きな要素となります。

麻酔科医が「常駐していない=危険」ではない理由

では、常駐していない病院は選ぶべきではないのでしょうか? 実はそうとも言い切れません。

計画無痛分娩では常駐でなくても安全に行われるケース

「計画無痛分娩」を採用している病院では、麻酔科医やスタッフが揃っている日中・平日にあらかじめ分娩日を設定します。
この場合、予定された時間帯に万全の体制が整っていれば、24時間常駐でなくても安全に無痛分娩を行うことが可能です。

実績とチーム医療が重要

たとえ麻酔科医が非常勤やオンコールであっても、産科医と麻酔科医の連携が密にとれており、緊急時のマニュアルや搬送体制が確立されている病院であれば、安全性は担保されます。
年間の無痛分娩症例数が多い病院は、それだけチーム医療の経験値が高いと言えるでしょう。

こんな人は「麻酔科医常駐」を重視しよう

ご自身の希望や状況に合わせて、常駐を重視すべきかを判断しましょう。

病院見学・健診で確認したい質問例

「常駐」という言葉だけで判断せず、具体的な体制を確認することが大切です。

麻酔科医の「人数」もチェックポイント

「常駐」であっても、麻酔科医が1人しかいない場合、その医師が休暇中や別の手術に入っている時は対応できない可能性があります。
複数の麻酔科医が在籍し、交代制で24時間体制を維持している病院であれば、より「いつでも対応可能」な状態に近いと言えます。

まとめ

無痛分娩において、専門知識を持つ麻酔科医の存在は非常に重要です。特に「24時間常駐」の病院は、いつお産が始まっても安心できるという大きなメリットがあります。

しかし、「常駐していない=危険」というわけではありません。計画分娩で体制を整えている病院も多くあります。
大切なのは、「常駐」という言葉だけでなく、「実際の運用体制」「実績」「対応可能な時間帯」をセットで確認し、自分たちが望むお産のスタイルに合っているかを見極めることです。

【実績でみる】
京都市で無痛分娩に
対応しているクリニックを調査

公式サイト、あるいはJALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会)のサイトにて、無痛分娩の年間実績が確認できた、京都市にあるクリニックを選定(2025年4月調査時点)。
分娩可能時間や麻酔科医の在籍数といった医療体制や、NICUの有無、費用も調査しています。

▼左右にスクロールできます▼
無痛分娩の
年間実績
麻酔科医の
在籍数(※1)
NICUの
有無(※2)
無痛分娩
可能時間帯
無痛分娩の
費用※税込

足立病院

546
(2023年)
常勤6
非常勤3
924時間550,000円~
652,000

身原病院

415
(2023年)
記載なし記載なし24時間557,000円~

中部産婦人科医院

347
(2023年)
常勤1
非常勤4
記載なし24時間600,000円~

醍醐渡辺クリニック

151
(2021年)
記載なし記載なし記載なし590,000円~

島岡医院

34
(2023年)
記載なし記載なし24時間記載なし

京都桂病院

16
(2023年)
常勤1記載なし原則計画分娩
(平日日中)
570,000
前後

(※1)出典:無痛分娩関係学会・団体連絡協議(https://www.jalasite.org/hp/10469.html
(※2)出典:産後なび(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/search.html?:embed=yes&:linktarget=_blank&01=26&18=01

無痛分娩の実績について
足立病院(https://www.adachi-hospital.com/numbers/
身原病院(https://mihara.com/about/outline/)※2023年分娩実績から、無痛分娩割合(平均)に基づき算出
医療法人社団中部産婦人科医院(https://www.nakabe.or.jp/painless.php
醍醐渡辺クリニック(PDF)(https://hospital.d-w-c.jp/painless_delivery/img/pdf_mutsubunben.pdf
島岡医院(https://www.shimaoka-ob-gy.minami.kyoto.jp/data/
京都桂病院(https://www.katsura.com/sanfujinka/labor_analgesia_info.html
2025年3月15日調査時点

※金額はあくまで目安です。無痛分娩を行なった場合、掲載している費用よりも高くなる可能性もございます。費用の詳細はクリニックに直接お問い合わせください。

無痛分娩に
麻酔科医の在籍数と
NICUの有無がなぜ重要?
麻酔科医の在籍数について

無痛分娩は、一般的に硬膜外麻酔を使用して行われます。この処置は高度な技術と経験が必要で、医師であれば誰でも対応できるわけではありません
そのため、麻酔科医が在籍しているかどうか、何人いるかは、安全かつ計画通りの無痛分娩が可能かを判断するうえでとても重要です。
また、分娩は自然の流れで起こるため、深夜や休日に急に始まることも少なくありません。複数の麻酔科医が常勤で在籍し、交代でオンコール体制を整えている病院であれば、時間に関わらず無痛分娩の希望が叶いやすくなります。

NICUの有無について

NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は、在胎週数や出生体重に関わらず、特別な医療的ケアが必要な新生児を集中的に治療できる医療設備です。
無痛分娩は、母体の心身への負担を軽減する分娩方法として広く利用されています。ただし分娩の種類にかかわらず、新生児には予測が難しい医療的ケアが必要になるケースもあるため、NICUの有無など、施設の対応力を確認しておくことも安心につながります。
NICUのある病院では、生まれてきた赤ちゃんの様子に応じて適切な対応が取れる体制が整っています。

実績で
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京都市の
無痛分娩クリニック
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