無痛分娩は一般的な出産方法とは異なり、麻酔を使用するための専門的な知識や設備が必要です。「痛みがなくなる」というイメージだけで病院を選んでしまうと、いざという時に「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
納得して安心して出産を迎えるためには、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。ここでは、病院の見学会や母親学級、妊婦健診の際に、医師や助産師に質問すべき具体的なリストをまとめました。印刷やメモをして、診察室に持ち込んでご活用ください。
質問リストを使う前に、まずは病院ごとの「基本方針」をホームページ等で理解しておくことが重要です。無痛分娩には大きく分けて2つのタイプがあります。
この違いを理解した上で、以下の質問をしていくと、より具体的な回答が得られます。
お産の安全性や、緊急時の対応力は最も重要なポイントです。特に麻酔に関しては専門性が求められるため、誰がどのように管理するのかを確認しましょう。
「無痛」といっても、病院の方針によって痛みの取り方は様々です。ご自身の希望するバースプランと病院の方針が合致しているか確認しましょう。
無痛分娩は自費診療となるため、病院によって費用設定が大きく異なります。後から想定外の出費で慌てないよう、総額と条件を確認しましょう。
無痛分娩は産後の回復が早いと言われていますが、その後の赤ちゃんとの過ごし方も病院によって特色があります。
これらの質問は、すべての項目を一度の診察で聞く必要はありません。タイミングを見計らって少しずつ確認していきましょう。
全体の雰囲気や設備、基本的な方針(24時間対応か、計画のみか)などの「体制・設備」に関する大きな質問は、このタイミングでするのがベストです。事務スタッフや助産師が対応してくれることも多く、聞きやすい雰囲気があります。
「バースプラン」の相談や、入院中の生活、家族の立ち会いなど「過ごし方」に関する詳細な質問は、助産師さんとじっくり話せるこの機会を活用しましょう。
麻酔の医学的なリスク、ご自身の体調に合わせた分娩方法、緊急時の手術への切り替えなど「医療的な判断」が必要な質問は、必ず医師に直接確認してください。
無痛分娩は、産婦さんの「痛みを恐れる心」を軽くし、穏やかなお産を迎えるための素晴らしい選択肢です。しかし、医療行為である以上、リスクや病院ごとの対応の違いは必ず存在します。
医師や病院スタッフに質問することは、決して失礼なことではありません。むしろ、疑問点をクリアにしておくことで、医師との信頼関係が深まり、より安心してお産に臨むことができます。
今回ご紹介した質問リストを活用し、あなたにとって後悔のない、最高の出産環境を選んでください。
公式サイト、あるいはJALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会)のサイトにて、無痛分娩の年間実績が確認できた、京都市にあるクリニックを選定(2025年4月調査時点)。
分娩可能時間や麻酔科医の在籍数といった医療体制や、NICUの有無、費用も調査しています。
| 無痛分娩の 年間実績 | 麻酔科医の 在籍数(※1) | NICUの 有無(※2) | 無痛分娩 可能時間帯 | 無痛分娩の 費用※税込 | |
|---|---|---|---|---|---|
足立病院 | 546件 (2023年) | 常勤6名 非常勤3名 | 9床 | 24時間 | 550,000円~ 652,000円 |
身原病院 | 415件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 557,000円~ |
中部産婦人科医院 | 347件 (2023年) | 常勤1名 非常勤4名 | 記載なし | 24時間 | 600,000円~ |
醍醐渡辺クリニック | 151件 (2021年) | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 590,000円~ |
島岡医院 | 34件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 記載なし |
京都桂病院 | 16件 (2023年) | 常勤1名 | 記載なし | 原則計画分娩 (平日日中) | 570,000円 前後 |
(※1)出典:無痛分娩関係学会・団体連絡協議(https://www.jalasite.org/hp/10469.html
(※2)出典:産後なび(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/search.html?:embed=yes&:linktarget=_blank&01=26&18=01)
無痛分娩の実績について
足立病院(https://www.adachi-hospital.com/numbers/)
身原病院(https://mihara.com/about/outline/)※2023年分娩実績から、無痛分娩割合(平均)に基づき算出
医療法人社団中部産婦人科医院(https://www.nakabe.or.jp/painless.php)
醍醐渡辺クリニック(PDF)(https://hospital.d-w-c.jp/painless_delivery/img/pdf_mutsubunben.pdf)
島岡医院(https://www.shimaoka-ob-gy.minami.kyoto.jp/data/)
京都桂病院(https://www.katsura.com/sanfujinka/labor_analgesia_info.html)
2025年3月15日調査時点
※金額はあくまで目安です。無痛分娩を行なった場合、掲載している費用よりも高くなる可能性もございます。費用の詳細はクリニックに直接お問い合わせください。
無痛分娩は、一般的に硬膜外麻酔を使用して行われます。この処置は高度な技術と経験が必要で、医師であれば誰でも対応できるわけではありません。
そのため、麻酔科医が在籍しているかどうか、何人いるかは、安全かつ計画通りの無痛分娩が可能かを判断するうえでとても重要です。
また、分娩は自然の流れで起こるため、深夜や休日に急に始まることも少なくありません。複数の麻酔科医が常勤で在籍し、交代でオンコール体制を整えている病院であれば、時間に関わらず無痛分娩の希望が叶いやすくなります。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は、在胎週数や出生体重に関わらず、特別な医療的ケアが必要な新生児を集中的に治療できる医療設備です。
無痛分娩は、母体の心身への負担を軽減する分娩方法として広く利用されています。ただし分娩の種類にかかわらず、新生児には予測が難しい医療的ケアが必要になるケースもあるため、NICUの有無など、施設の対応力を確認しておくことも安心につながります。
NICUのある病院では、生まれてきた赤ちゃんの様子に応じて適切な対応が取れる体制が整っています。