無痛分娩を扱う産院は増えていますが、「どこで産んでも同じ」ではありません。 ホームページには「無痛分娩対応」と書かれていても、実際には「平日日中のみ」「麻酔科医は不在」「希望者が多くて予約できない」といったケースも少なくないからです。
この記事では、病院見学や説明会、妊婦健診の際に必ず確認しておきたい「病院選びのチェックリスト」をまとめました。自分と赤ちゃんの安全、そして納得のいくお産のために、ぜひ活用してください。
チェックリストを見る前に、まずは無痛分娩の病院選びで特に重要となる視点を整理しておきましょう。多くの先輩ママが「もっと詳しく聞いておけばよかった」と後悔するのは以下の3点です。
最も重要なのが対応時間です。24時間365日体制で麻酔対応が可能なのか、それとも計画分娩のみなのか。 計画分娩の場合でも、予定日より早く陣痛が来てしまった時の対応(自然分娩になるのか、緊急で無痛対応してくれるのか)は病院によって大きく異なります。
無痛分娩の安全性は、麻酔を担当する医師の技量や経験に左右されます。 「麻酔科医(麻酔専門医)」が常駐しているか、それとも産科医が麻酔も兼任しているかを確認しましょう。急変時の対応力という点でも、麻酔専従の医師がいる環境は安心材料の一つです。
分娩費用は病院によって差が大きく、さらに無痛分娩には追加費用がかかります。 見落としがちなのが、麻酔延長料金や、休日・深夜の割増料金です。「退院時の支払総額」が予算内に収まるか、事前に細かい内訳を確認する必要があります。
病院のホームページだけでは分からないことも多いため、実際に見学や説明会へ行った際に直接スタッフへ質問することをおすすめします。 以下のリストをスマホに保存したり、メモをして持参してください。
チェックリストを使って質問をした際、以下のような反応があった場合は、少し慎重になったほうが良いかもしれません。
「絶対に痛くないですよ」「今まで事故はないので大丈夫ですよ」と、メリットばかりを強調し、リスクや副作用についての説明が不十分な病院は注意が必要です。誠実な医療機関であれば、麻酔による血圧低下や頭痛などの可能性についても、事前にきちんと説明してくれます。
「ケースバイケースですね」「退院時にならないと分かりません」と、概算費用さえ教えてくれない場合、後から高額な請求が来るトラブルになりかねません。少なくとも基本的な料金体系が明確になっている病院を選びましょう。
これから命がけの出産を任せる相手です。不安な点を確認した際に、面倒くさそうな対応をされたり、詳しく教えてくれないスタッフがいる病院では、入院中も安心して過ごすことが難しいかもしれません。
無痛分娩は、痛みを和らげることで産後の回復を早め、リラックスしてお産に臨める素晴らしい方法です。しかし、そのメリットを最大限に活かすためには、自分たちの希望や条件に合った病院選びが欠かせません。
「家から近いから」という理由だけで決めるのではなく、今回ご紹介したチェックリストを活用して、医療体制や費用、緊急時の対応などをしっかりと比較検討してください。疑問や不安を解消した上で、安心して出産当日を迎えられる病院を見つけましょう。
公式サイト、あるいはJALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会)のサイトにて、無痛分娩の年間実績が確認できた、京都市にあるクリニックを選定(2025年4月調査時点)。
分娩可能時間や麻酔科医の在籍数といった医療体制や、NICUの有無、費用も調査しています。
| 無痛分娩の 年間実績 | 麻酔科医の 在籍数(※1) | NICUの 有無(※2) | 無痛分娩 可能時間帯 | 無痛分娩の 費用※税込 | |
|---|---|---|---|---|---|
足立病院 | 546件 (2023年) | 常勤6名 非常勤3名 | 9床 | 24時間 | 550,000円~ 652,000円 |
身原病院 | 415件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 557,000円~ |
中部産婦人科医院 | 347件 (2023年) | 常勤1名 非常勤4名 | 記載なし | 24時間 | 600,000円~ |
醍醐渡辺クリニック | 151件 (2021年) | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 590,000円~ |
島岡医院 | 34件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 記載なし |
京都桂病院 | 16件 (2023年) | 常勤1名 | 記載なし | 原則計画分娩 (平日日中) | 570,000円 前後 |
(※1)出典:無痛分娩関係学会・団体連絡協議(https://www.jalasite.org/hp/10469.html
(※2)出典:産後なび(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/search.html?:embed=yes&:linktarget=_blank&01=26&18=01)
無痛分娩の実績について
足立病院(https://www.adachi-hospital.com/numbers/)
身原病院(https://mihara.com/about/outline/)※2023年分娩実績から、無痛分娩割合(平均)に基づき算出
医療法人社団中部産婦人科医院(https://www.nakabe.or.jp/painless.php)
醍醐渡辺クリニック(PDF)(https://hospital.d-w-c.jp/painless_delivery/img/pdf_mutsubunben.pdf)
島岡医院(https://www.shimaoka-ob-gy.minami.kyoto.jp/data/)
京都桂病院(https://www.katsura.com/sanfujinka/labor_analgesia_info.html)
2025年3月15日調査時点
※金額はあくまで目安です。無痛分娩を行なった場合、掲載している費用よりも高くなる可能性もございます。費用の詳細はクリニックに直接お問い合わせください。
無痛分娩は、一般的に硬膜外麻酔を使用して行われます。この処置は高度な技術と経験が必要で、医師であれば誰でも対応できるわけではありません。
そのため、麻酔科医が在籍しているかどうか、何人いるかは、安全かつ計画通りの無痛分娩が可能かを判断するうえでとても重要です。
また、分娩は自然の流れで起こるため、深夜や休日に急に始まることも少なくありません。複数の麻酔科医が常勤で在籍し、交代でオンコール体制を整えている病院であれば、時間に関わらず無痛分娩の希望が叶いやすくなります。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は、在胎週数や出生体重に関わらず、特別な医療的ケアが必要な新生児を集中的に治療できる医療設備です。
無痛分娩は、母体の心身への負担を軽減する分娩方法として広く利用されています。ただし分娩の種類にかかわらず、新生児には予測が難しい医療的ケアが必要になるケースもあるため、NICUの有無など、施設の対応力を確認しておくことも安心につながります。
NICUのある病院では、生まれてきた赤ちゃんの様子に応じて適切な対応が取れる体制が整っています。