無痛分娩では、身体的・精神的なストレスが軽減されたり、産後の回復が早くなったりするなどさまざまなメリットが期待できます。この記事では、なぜ無痛分娩を選ぶのかまとめ、メリットや選ぶうえでの注意点などを解説しています。
無痛分娩を選ぶ主な理由には、出産による痛みを和らげ、心身への負担軽減につながるほか、体力を温存して産後の回復を早められるなどさまざま挙げられます。痛みによるストレスが減ることで血流が良くなったり、緊急時の対応が早かったりするなどのメリットがあります。
痛みによる血圧上昇や過呼吸、不安の緩和効果も期待できるほか、緊急帝王切開などにも対応しやすい点もメリットに挙げられます。また、不安神経症やパニック障害など心理的な持病がある人への安心感 につながりやすかったり、会陰切開や縫合時の痛み緩和効果も期待できるでしょう。

無痛分娩を選択すると、どのようなメリットが期待できるのか気になるものです。具体的には、身体的なストレスが軽くなる・精神的な安心感が得られる・赤ちゃんへの酸素供給が安定しやすいなどのメリットがあります。
ここでは、無痛分娩のメリットについて解説します。
痛みはそれ自体つらく苦しいものですが、身体にさまざまな悪影響を及ぼす場合があります。分娩中に、血圧上昇や過呼吸などの症状を招くリスクもあるため注意しなければなりません。出産時の痛みが軽くなると、妊婦さんの身体的ストレスの緩和が期待できます。
出産時の痛みには個人差が見られますが、無痛分娩を行うと痛みを大幅に軽減できる可能性が高まります。これにより、痛みに恐怖心の強い方や、前回出産時にトラウマのある方も精神的に安定した状態でお産に臨むことができるでしょう。
強い痛みというストレスを受けると、カテコラミンという物質が体内から分泌され、子宮胎盤血管の収縮や血流減少を引き起こしやすくなります。そのような状態になると、赤ちゃんへの酸素の供給が悪くなるため、注意が必要です。硬膜外麻酔では、陣痛を緩和できることにより、子宮胎盤血流の改善につながり、赤ちゃんへの酸素供給を良くすることも可能です。
出産には、体力が必要です。個人差がありますが、痛みで体がこわばり、筋肉痛を引き起こす方もいるほどです。無痛分娩は、痛みによる体力の消耗が軽減するため、出産後の回復がスムーズになる傾向があります。
無痛分娩にはさまざまなメリットがありますが、デメリットがまったくないとは言い切れません。無痛分娩は麻酔薬を使う性質上、副作用のリスクは避けられません。発生頻度が高い副作用には、下肢の感覚が鈍くなり力が入れにくくなる点が挙げられます。
足の感覚や運動機能に関係する神経は、背骨周囲にある痛みを伝える神経付近に位置しているため、麻酔の影響を受けやすい傾向にあります。このほかには、血圧低下や頭痛、排尿障害、神経障害といった合併症のリスクがあるため注意が必要です。
また、前期破水や発熱状態など感染の疑いがある方や、血液検査で血小板が少ないなど出血しやすい方、一部の心疾患(大動脈弁狭窄症・肥大型心筋症)がある方、太りすぎ・腰骨が曲がっておりカテーテルが挿入できない方など、無痛分娩ができないと判断されるケースもあります。
医療機関や麻酔方法の違いによるリスクもあり、事前に医師との相談が必須となっているため、希望する場合は、早めに確認してみましょう。
A. 出産時の強い痛みを和らげることで、身体的・精神的な負担を軽減できる点が大きな理由です。痛みによるストレスが減ることで血圧上昇や過呼吸のリスクを抑えやすくなり、産後の回復を早めたいと考える方からも選ばれています。
A. 出産時の痛みが軽減されることで、血圧上昇や過呼吸などの身体的ストレスが起こりにくくなるとされています。また、痛みによる体力消耗を抑えられるため、出産後の回復が比較的スムーズになりやすい点もメリットの一つです。
A. はい、無痛分娩は精神的な安心感につながるケースが多いです。痛みに対する恐怖心が強い方や、過去の出産でトラウマがある方でも、落ち着いた気持ちで分娩に臨みやすくなるとされています。
A. 強い痛みによるストレスが軽減されることで、子宮胎盤の血流が保たれやすくなり、赤ちゃんへの酸素供給が安定しやすいと考えられています。ただし、赤ちゃんへの影響については個人差があるため、医師の説明を受けたうえで判断することが大切です。
A. 無痛分娩では痛みによる体力消耗が抑えられるため、出産後の回復が比較的スムーズだと感じる方もいます。個人差はありますが、産後すぐの育児や授乳に向けて体力を温存しやすい点はメリットといえるでしょう。
A. 麻酔を使用するため、下肢の感覚が鈍くなる、血圧低下、頭痛、排尿障害などの副作用が起こる可能性があります。また、まれに神経障害などの合併症が生じることもあるため、事前にリスクを理解しておくことが重要です。
A. 感染症の疑いがある場合、血液が固まりにくい状態、特定の心疾患がある場合、極端な肥満や背骨の状態によってカテーテル挿入が難しい場合などは、無痛分娩が適さないと判断されることがあります。対応可否は医師が総合的に判断します。
A. 無痛分娩を希望する場合は、早めに医療機関へ相談し、メリット・デメリットやリスクについて十分な説明を受けることが大切です。また、麻酔方法や対応体制、緊急時の対応についても確認し、自分の体調や希望に合った選択をしましょう。
出産による痛みを和らげ、心身への負担軽減につながるほか、体力を温存して産後の回復を早められることから、無痛分娩を選ぶ人は増えています。身体的・精神的なストレス緩和につながるなど母体への負担を軽減できるだけではなく、赤ちゃんへのメリットも期待できるのが特徴です。
しかし、デメリットや注意点もあることから、リスクを理解したうえで、自分の体調や希望を考慮しながら、医療機関へよく相談することが重要です。
公式サイト、あるいはJALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会)のサイトにて、無痛分娩の年間実績が確認できた、京都市にあるクリニックを選定(2025年4月調査時点)。
分娩可能時間や麻酔科医の在籍数といった医療体制や、NICUの有無、費用も調査しています。
| 無痛分娩の 年間実績 | 麻酔科医の 在籍数(※1) | NICUの 有無(※2) | 無痛分娩 可能時間帯 | 無痛分娩の 費用※税込 | |
|---|---|---|---|---|---|
足立病院 | 546件 (2023年) | 常勤6名 非常勤3名 | 9床 | 24時間 | 550,000円~ 652,000円 |
身原病院 | 415件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 557,000円~ |
中部産婦人科医院 | 347件 (2023年) | 常勤1名 非常勤4名 | 記載なし | 24時間 | 600,000円~ |
醍醐渡辺クリニック | 151件 (2021年) | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 590,000円~ |
島岡医院 | 34件 (2023年) | 記載なし | 記載なし | 24時間 | 記載なし |
京都桂病院 | 16件 (2023年) | 常勤1名 | 記載なし | 原則計画分娩 (平日日中) | 570,000円 前後 |
(※1)出典:無痛分娩関係学会・団体連絡協議(https://www.jalasite.org/hp/10469.html
(※2)出典:産後なび(https://www.mhlw.go.jp/stf/birth-navi/search.html?:embed=yes&:linktarget=_blank&01=26&18=01)
無痛分娩の実績について
足立病院(https://www.adachi-hospital.com/numbers/)
身原病院(https://mihara.com/about/outline/)※2023年分娩実績から、無痛分娩割合(平均)に基づき算出
医療法人社団中部産婦人科医院(https://www.nakabe.or.jp/painless.php)
醍醐渡辺クリニック(PDF)(https://hospital.d-w-c.jp/painless_delivery/img/pdf_mutsubunben.pdf)
島岡医院(https://www.shimaoka-ob-gy.minami.kyoto.jp/data/)
京都桂病院(https://www.katsura.com/sanfujinka/labor_analgesia_info.html)
2025年3月15日調査時点
※金額はあくまで目安です。無痛分娩を行なった場合、掲載している費用よりも高くなる可能性もございます。費用の詳細はクリニックに直接お問い合わせください。
無痛分娩は、一般的に硬膜外麻酔を使用して行われます。この処置は高度な技術と経験が必要で、医師であれば誰でも対応できるわけではありません。
そのため、麻酔科医が在籍しているかどうか、何人いるかは、安全かつ計画通りの無痛分娩が可能かを判断するうえでとても重要です。
また、分娩は自然の流れで起こるため、深夜や休日に急に始まることも少なくありません。複数の麻酔科医が常勤で在籍し、交代でオンコール体制を整えている病院であれば、時間に関わらず無痛分娩の希望が叶いやすくなります。
NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は、在胎週数や出生体重に関わらず、特別な医療的ケアが必要な新生児を集中的に治療できる医療設備です。
無痛分娩は、母体の心身への負担を軽減する分娩方法として広く利用されています。ただし分娩の種類にかかわらず、新生児には予測が難しい医療的ケアが必要になるケースもあるため、NICUの有無など、施設の対応力を確認しておくことも安心につながります。
NICUのある病院では、生まれてきた赤ちゃんの様子に応じて適切な対応が取れる体制が整っています。